他者が物事を認識する視点や、それによって発生する感情を理解すること
こんにちわ。組織開発 がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において、他者と円滑にやりとりするには、他者がその場の出来事に対してどのように考え、どのように感じるかをある程度理解する必要があります。この感覚が人と大きくズレていると、他者の気持ちを害したり、その結果として敵対関係になってしまうことすらありえます。
他者が物事を認識する視点や、それによって発生する感情を理解することに関する概念として認知的共感があります。この記事では、認知的共感についてまとめます。
認知的共感とは?
認知的共感 ( Cognitive Empathy )とは、他者の視点や感情を理解する能力を指します。これは、相手が何を考え、どう感じているのかを論理的に把握し、適切に対応するための共感の一種です。ただし、感情的に同調する感情的共感とは異なり、認知的共感はあくまで「理解する」ことに焦点を当てています。
認知的共感の利点
仕事において認知的共感が強いことには多くの利点があります。以下に主な利点を示します。
- 効果的なコミュニケーション
- リーダーシップの向上
- 他者が関連する問題の解決能力の向上
- 顧客対応の向上
- 対立の解消と仲裁の向上
1. 効果的なコミュニケーション
認知的共感を持つことで、他者の視点や感情を理解し、それに応じて適切な言葉や行動を選ぶことができます。これにより、誤解や対立が減り、仕事で関わる相手との円滑なコミュニケーションが促進されます。
2. リーダーシップの向上
リーダーが認知的共感を持っていると、部下の気持ちや考えを的確に理解し、彼らが必要としているサポートやフィードバックを提供できます。これは、チームメンバーのモチベーションを高め、仕事の効率を上げるのに役立ちます。
3. 他者が関連する問題の解決能力の向上
認知的共感を持つことで、他者が関係する問題の核を捉え、根本原因を発見しやすくなります。
4. 顧客対応の向上
認知的共感を持つことで、顧客の視点に立って彼らのニーズや懸念を理解することができ、より的確な対応が可能になります。認知的共感は、顧客満足度を向上させ、長期的な信頼関係を築くのに役立ちます。
5. 対立の解消と仲裁の向上
認知的共感を持つことで、対立が生じた際に他者の立場を理解し、バランスの取れた解決策を見つけやすくなります。仲裁や調停の場で特に効果的です。
認知的共感を育てる方法
認知的共感を育てるには、以下のような方法があります。
- アクティブリスニングを実践する
- 感情ラベリングを行う
- フィードバックを求める
- 価値観の違いを知る
1. アクティブリスニングを実践する
他者の話を途中で遮らず、注意深く聞くことで、その人の意図や感情を正確に理解しようとする技術です。相手の言葉に集中し、質問を投げかけたり要約したりして、内容を深く把握します。
2. 感情ラベリングを行う
相手の感情に言葉を与えることで、相手の感情を認識しやすくし、自分自身もその感情を理解しやすくします。これにより、相手の気持ちに対する認知的理解が深まります。
3. フィードバックを求める
他者との対話やコミュニケーションの際、自分が相手の視点を正しく理解しているかどうかを確認するために、フィードバックを求めます。これにより、自分の共感力の不足や改善点に気づきやすくなります。
4. 価値観の違いを知る
異なる背景を持つ人々の価値観を理解することも、認知的共感を深めるために重要です。異なる視点や考え方に触れることで、相手の考えをより柔軟に理解できるようになります。
まとめ
この記事では、認知的共感についてまとめました。
特に意識しないとついつい他者についても自分の物差しで考えてしまうことがあるかもしれません。他者は異なる経験をし、それを元にした価値観を持ち、同じ出来事があっても自分と異なる感情を抱くことがあります。自分にとっては些細なトラブルでも、相手にとってはショックな出来事かも知れませんし、自分にとっては些細な成功でも、相手にとっては大きな喜びかもしれません。